相談内容
保育園と幼稚園
- 分類
- その他
- 年齢
- 2歳~3歳
こんにちは。2歳11ヶ月の子どもの母親です。来年の4月からのことですが、子どもを幼稚園か保育園に入れて、パートで働こうと考えているところです。できれば長く働きたいので、保育園にいれることを考えていました。けれど、最近会った友人から、幼稚園では早期教育がしっかりしていて、小学校に入るときに有利だと聞きました。幼稚園や保育園を色々見たほうがいいよともアドバイスされました。幼稚園と保育園の違いとか、園を決めるときのアドバイスなんかがあればお願いします。(S.U)
先生からのコメント
こんにちは。まずお断りをしておきたいのですが、私自身は保育の関係者なので、意見が保育園よりになるかもしれません。その点はお許しください。
幼稚園と保育園の違いについて、まずお堅い話からしたいと思います。幼稚園は文部科学省が管轄であり、その根拠となる法はいま噂の「学校教育法」です。つまり、幼稚園の目的は教育であり、学校のひとつとして存在しています。一方、保育園は厚生労働省の管轄であり、「児童福祉法」がその根拠となっています。目的は福祉であり、子どもたちの生活を保障する施設として存在するのです。
幼稚園では文字や数の学習を取り入れているところが多くあります。今では、専門講師による英語や体育指導を行っているところも少なくありません。こうしたカリキュラムの充実は保育園にはないものであり、幼稚園のよさと言えるでしょう。保育園は子どもにとっての生活の場であり、そこでは生活リズムと遊びを重視しています。したがって、多くは遊び中心のカリキュラムになっています。しかし、「両親が働いているという理由だけで保育園に入り、そういう学習の機会が奪われてしまうのは不公平だ」という意見があるのも事実です。したがって、最近では幼稚園的カリキュラムを取り入れる保育園も増えてきました。
保育園と幼稚園との比較は、遊びと学習という二極で考えられがちなので、どうしても遊びというと低く見られがちなのが事実です。しかし、遊びの中に子どもの心と身体を育てる基礎があります。もちろん、保育園の中にもただ遊ばせているところがあるのは事実です。これは、いわゆる自由保育をはき違えているわけです。しかし、遊びを子どもの心身の発達としてとらえ、カリキュラムを配慮している保育園もたくさんあります。こういった点については、ぜひ色々と見学をして、ご自身の目で体験なさるのが一番だと思います。
最後にひとつだけ書き加えたいと思います。SUさんの文章の中に「早期教育」とありました。この場で論じる余裕はありませんが、近年の幼児教育は脳と関連づけて論じられています。そこで、ぜひ紹介した2冊の本があります。
* 小西行郎 2004 早期教育と脳 光文社新書
* 澤口俊之 1999 幼児教育と脳 文春新書
簡単に申しますと、小西氏は早期教育否定派、澤口氏は肯定派ということになりましょうか。ぜひ、読み比べてみると面白いと思います。