相談内容

お友達とおもちゃを取り合いケンカになります。

分類
性格
年齢
4歳~5歳  2歳~3歳 

3歳2ヶ月の男の子ですが、公園や自宅で友達と遊ばせることがよくあるのですが、必ずおもちゃの取り合いになり、ケンカのようになります。私も他の子のママも、「貸してあげるのよ」とか「貸してって言いなさい」などと言い聞かせています。うちの子供もお友達も一人っ子なので、家ではすべてが自分のおもちゃなんです。そういう争いに慣れてないから、上手に貸し借りができないのでしょうか?(K.O)

2013-03-15 掲載

先生からのコメント


おもちゃの奪い合い・・・子どもが2人以上いるところには、よくある光景かと思います。子どもは、自分の物と他人の物とを区別してないですよね。区別してないというか、「自分の物は自分の物、他人の物は自分の物」のような感じだと思います。まして、自分がお気に入りのおもちゃとなれば、「絶対に渡すもんかぁ!」と必死な形相になるわけです。
子どもたちがおもちゃの争奪戦を始めたら、大人たちはどうすればいいでしょうか。大人から言わせれば「譲りあって使いなさい」ということでしょう。でも、子どもにこの論理が通じるはずがありません。おもちゃを奪いに行っている子どもの親御さんは、「このおもちゃはあなたのものではない」とハッキリ言うことも必要だと思います。「○○ちゃんが終わったら貸してもらおうね」というのは、貸してもらえることが前提であり、まさに大人の論理だと思います。これだけで話を終わりにすると、貸すことや譲ることを身につけなくていいのか?と言われそうです。もちろん、そんなことはありません。子どもがおもちゃを貸せないことを分かっていても、「貸してあげなさい」と声をかけることが絶対必要です。ただ、それを強く言う必要はなく、おもちゃを借りたがっているお友達に、「今はまだ遊びたいみたいだから、ごめんね」と声をかけてあげればいいのではないでしょうか。
子どもが1歳ごろになると、色んな形でのやりとり遊びがよく見られるようになります。お母さんと子どもが向き合って、「はいどうぞ⇔ありがとう」と声を出しながら、物をやり取りするのもその一つです。こうしたやり取り遊びは、生まれた頃からの見つめ合いとか授乳などの延長なわけですが、その後の言葉の発達にとっての基本であると言えます。そして、こうしたやり取りの形が、後のおもちゃの貸し借りと同じ形であることは言うまでもありません。小さい頃から、いろいろな人とのやり取りを経験することが、時にはおもちゃの所有権を主張しながら、譲る気持ちを持った子どもへと育てていくのではないでしょうか。そして、年齢が大きくなっていくと、他者との関係の中で折り合いをつけられるようにもなっていくのだと思います。