相談内容
赤ちゃん返りが続いています。
- 分類
- 泣く
- 年齢
- 4歳~5歳
4歳4ヶ月の女の子と2歳9ヶ月の男の子の母です。下の子が1歳半を過ぎた頃から、上の子の様子がおかしくなりました。それまで一人で出来たことも、「やってやって」とせがむし、それをやってあげないと激しく泣き叫びます。すごくわがままになった感じです。少し遅い赤ちゃん返りと思って、しばらくは様子を見ていましたが、いつまでたっても元に戻りません。下の子の面倒はよく見てくれるので、そういう意味ではお姉ちゃんらしいところもあるのですが、親の気持ちとしてはもう少し自立して欲しいのです。どうすればいいでしょうか。
先生からのコメント
赤ちゃん返りは必ず通る道です。上の女の子が下の男の子の世話を焼いている姿は、危なっかしい反面、実に可愛らしく微笑ましい光景ですよね。その姿を見れば「お姉ちゃんらしい」良い子なのに、場面が変わるととたんに言うことを聞かなくなるのでは、お母さんもさぞかしイライラしたりするでしょう。でも、おっしゃる通り間違いなく赤ちゃん返りなので、怒らないであげてくださいね。
赤ちゃん返りは、たいていの上の子は通る道です。下の子の妊娠期や出産直後から見られるのが多いのですが、今回のお子さんのようにしばらく経ってから見られることも珍しくありません。今回のお子さんは、下の子が1歳半になるまでは一生懸命、お姉さんとしての役割を頑張っていたのではないでしょうか。それは、お母さんや周りの大人に、「お姉ちゃんらしさ」を期待されてきたからでしょう。弟の面倒をよく見るということなので、お母さんも知らず知らずのうちについつい、弟の世話を頼んではいませんでしたか。でも、そこはやはり子どもです。そうした期待がだんだんと重荷になり、自分も弟と同じように世話をされたい、自分も弟と同じように見てもらいたいという気持ちになっているのです。
まずは赤ちゃん返りを許してあげてください。下の子を抱っこしたら同じぐらい上の子も抱っこしてあげる、下の子にご飯を食べさせてあげたら上の子にも同じようにしてあげるぐらいの気持ちでいてあげてください。現実にはなかなかそうはいきませんが、そういった気持ちを持つことで上の子への関わり方も違ってくるはずです。そうなると、「お母さんは私もちゃんと見ていてくれている」という安心感が、子どもの心にも必ず生まれてきます。これが第一歩です。そして、「お姉ちゃんだから」とか「お姉ちゃんなのに」という言葉はできるだけ避けてあげてください。それと、しばらくは下の子の世話を頼むのはやめましょう。そうすれば必ず落ち着いてきます。
自立とは書いて字のごとく、「自らで立つ」ということです。つまり、子どもが自立していくのを待つしかありません。親は自立をさせるのではなく、自立を支える存在なのです。親が自立させようと無理にすると、子どもはますます自立できないようになります。赤ちゃん返りしている時期に、それを無理に元に戻そうとするのではなく、まずはとことん赤ちゃん返りさせることが大切なのです。
(2003.10)