夜泣きが頻繁になりました。

先生からのコメント

寝ていた子どもが、突然起きて大泣きしたり、泣きながら歩いたりした経験を持つお母さんは、それほど少なくありません。たとえば、悪夢にうなされて目が覚めることは、３～５歳の子どもでは１０～５０％の間で起こることがわかっています。また、いわゆる夜泣きは、だれでもが一度は経験するものだと言われています。一般に夜泣きは一歳半ごろで治まると言われますが、それを過ぎても十分に起こりうるものなのです。とは言え、おとなしく寝ていた子どもが突然泣きじゃくる姿を見れば、誰でもが心配になることは間違いありません。お手紙を下さったお母さんも、気が気でなかったことでしょうね。お察しします。
ある一部分の夜泣きは、夜驚症と呼ばれる睡眠障害の可能性があります。これは、激しい泣きを伴って目が覚め、それを周囲の者が落ち着かせようとしても、なかなか安定しないという特徴があります。幼児ぐらいのお子さんですと、泣き疲れるまでなき続けるといったことも見られます。今回ご相談のお子さんには、そういったことは見られていないようなので、夜驚症というのではなく、一過性の夜泣きだと思っていいと思います。
夜驚症も含めてですが、夜泣きの原因になるのはストレスや不安だとよく言われますが、何がその原因となっているかを特定するのは難しいことです。今回のケースで考えられることは、赤ちゃん返りの一つかもしれませんね。自分の下に弟妹が産まれたら急に甘えん坊になったり、きかん坊になったりするのが赤ちゃん返りで、これは日常的によく見られる光景です。下の子が産まれてからすぐ赤ちゃん返りする子もいれば、それが時間をおいて表れる子もいます。これは、1日1回でいいから、もうべったりと甘えさせるのが一番です。いずれにしても、夜泣きについてはあまり心配なさらずに、様子を見ていくのがいいと思います。
(2003.7)