相談内容

周りのお友だちと比べても言葉が遅いと思うのです。

分類
言葉
年齢
2歳~3歳 

言葉が遅いので気になります。1歳7ヶ月の女の子のママです。うちの子は言葉が遅いと思います。まわりのお友だちと比べると、その差がはっきりとわかるほどです。先日、一歳半の健診があり、言葉のことについては「少し様子を見ていきましょう」と言われました。実家の母や叔母からは「あなたもそうだったから、心配ないよ」と言われてしまいます。少し上の子どもを育てている友人たちからも「心配ない」「個人差があるから」としか言われません。どれもわかっているのですが、納得できないというか、本当に心配ないのかどうかが気になってしまいます。

2007-04-15 掲載

先生からのコメント

ごく普通のやり取りを。言葉というのは、こころとは違って目に見えるものです。つまり、話をするかどうかが観察可能な状態であることから、お母さんにとっても遅れが一番気になる部分であると思われます。他のお子さんの言葉の発達状況も観察可能ですから、わが子とどうしても比べてしまうのは当たり前だと言えるでしょう。比べること自体は決して悪いことではなく、親であればむしろ当然だと言うつもりで構えていてください。ただし、比べた上で、早いか遅いかにこだわる必要はありませんよ。
言葉の発達には個人差があります。おそらくこの事も、聞き飽きるほどに聞いてきたのではないでしょうか。ではどのくらいの個人差があるのでしょうか。言語聴覚士の中川信子先生は、「この時期の言葉の早い・遅いの幅は1年もある」と言います。たとえば、「ネコ」「トリ」「イヌ」「ウマ」「人間」の5つの絵のうちの一つの名前が答えられるようになるのは、1歳6ヶ月で25%、1歳9ヶ月で50%、2歳5ヶ月で90%だそうです。3歳を過ぎてから、それまでの遅れを一気に取り戻すように、言葉を話し始める子どももいます。毎日お子さんと一緒に過ごし、お子さんの言葉のことをいつも気にかけているお母さんにとっては、1年というととてつもなく長い時間のように思われるかもしれません。しかし、上記のように、言葉の早い、遅いには1年以上も個人差の影響があるのです。これを、心の隅にでも置いておいて頂きたい部分です。
そこで、「ただ待っているだけなのか?」という質問が起こってくるかと思います。決してそうは言いませんが、特別な事をするという事でもありません。たとえば、ハサミを手にしてお母さんに見せに来たとしましょう。そんな時、どんな反応をするでしょうか?「危ない」といって、子どもの手からハサミを取り上げますよね。そして、「これ、ハサミ。ハサミよ。これはね危ないの。いたいいたいになるのよ。ダメよ」といった感じではないでしょうか。この大人との言葉のやり取りが大事です。「やり取り」ですから、言葉を一方的に「教え込む」のとは全く違います。そういったやり取りは、お子さんが生まれたばかりの頃から、お母さんとの間でごく普通にされてきたものでもあります。
どうか、あまり深刻にならずに、お子さんとの生のやり取りを楽しむつもりでお過ごしください。
(2004.5)