相談内容

家から外に出ると何も話せなくなってしまいます。

分類
言葉
年齢
2歳~3歳 

はじめまして。3歳の次女の言葉のことで相談をさせてください。家から外に出ると何も話せなくなってしまいます。家ではよくしゃべりますし、3歳上の長女よりむしろよく話すぐらいです。ところが、外に行くと不思議なことに、お友だちとも誰とも話をしません。何かを聞かれても固まってしまう感じです。メルヘンや一時保育に行く時も、大好きなので楽しみに行くのですが、やっぱり話はしません。最初のうちは気にしていなかったのですが、あまり長く続くので気になりだして、色々とネットなどで調べたら、緘黙という障害があるということで、その症状にぴたりとくるので心配になっています。どうすれば治るのか教えていただければと思います。(O.F)

2007-10-15 掲載

先生からのコメント

こんにちは。お二人のお嬢さんがいらっしゃると、家の中はさぞかし賑やかな毎日ではないでしょうか。そのような日常の姿と、外での姿との違いに、Oさんも戸惑っていることでしょう。緘黙というのは、ある場面に遭遇すると、言葉を発しなくなってしまう現象のことです。特定の場面に限られることが多く、場面緘黙といわれることもあります。最も多い例は、家ではよくお話するのに、幼稚園や保育園に行くとまったく口を開かないという場面緘黙です。Oさんのお嬢さんもこの緘黙に違いないのですが、一つだけ訂正をさせていただかなければなりません。「緘黙という障害がある」と書いていらっしゃいますが、厳密に言うと緘黙は障害ではありません。その点はご安心いただけるかと思います。
さて、緘黙になるきっかけは色々と考えられます。その場所で嫌なことがあったとか、ショックなことがあったとかなどです。大人でもそういうことがあると緘黙になるものです。問題はそれが長続きしてしまうことです。緘黙が長続きしてしまう原因として、プレッシャーが考えられます。必要とされる場面で言葉を発しないと、周囲の大人や友だちは「どうして話さないのか」「早くしゃべりなさい」という声をかけます。親御さんや先生たちは、子どものことを心配するがゆえの言葉がけです。しかし、これこそが本人にとっては最大のプレッシャーになるわけです。
緘黙への対処法は、その緘黙を指摘しないことだと言われます。温かく見守りながら、言葉を発するのを待つということです。親御さんにとってみれば、それはとても苦しいことかもしれません。いきなり出来るものではありませんので、まずは1週間に1日、何も言わない、何も問い詰めない、という日を作ってみることから始めてはいかがでしょうか。(TY)
(2008.11)